2023年12月9日~16日の7日間、鹿児島県奄美大島で様々な場所で生き物探しをしてきました。ざっくり100種以上の色んな生き物に出会えたので紹介します。
注意:同定は100%正確ではありません。大変恐縮ですが、もし誤同定がありましたらこっそり教えていただけると幸いです。
川で見つけた生き物たち(ガサガサ)
オオウナギ
60~70cmサイズが10数匹いた。大きめの石の裏や川岸の奥の方に隠れている。
オオウナギの幼魚
かわいい。ニホンウナギよりも体色が黄色味が強いのが特徴です。
ユゴイ
奄美大島の河川で中層を泳いでいる魚のほとんどがオオクチユゴイとユゴイ。
テンジクカワアナゴ
カワアナゴ属は見分けが難しいので多分テンジクカワアナゴ。正直オカメハゼとの違いが分からん。
ツバサハゼ
屋久島や南西諸島にしか生息していない絶滅危惧IA類の超激レアな淡水魚。まさか見れるとは思ってなかった…。ハゼ亜目の中では原始的な形態を残した魚で、見た目はかなり異質。図鑑では河川上流域の流れが速い落ち込みや滝下に生息していると書かれていますが、急流であればその限りではないことが今回の採集で分かった。
ほぼ最大サイズの大型個体も限られた場所に生息していました。こういう希少種が生息している場所は絶対に公開してはいけないのが常識です。乱獲されて簡単に絶滅します。
ゴクラクハゼ
奄美大島は成長した個体が多いので青い小斑点がくっきり出ていて区別しやすい。体側の黒斑やほほのミミズ状斑紋も特徴。
シマヨシノボリ
ほほにミミズ状斑紋が出るのだが、琉球列島の個体群は太く現れるらしい。うん、たしかに太い。体側に6個の明瞭な横斑や胸ビレ基底に複数の三日月状斑紋あり。
ボウズハゼ
遡上能力が高いのか堰を3つ上がった上流域にもたくさんいた。胸ビレの間にある腹吸盤に指を押し当てると結構しっかり目に吸着するのでぜひ試してみてほしい。これが流れが速い場所でも生息できる理由なのだ。
ナガノゴリ
いかにもチチブ!みたいな見た目をしているが、採集者の永野彦熊さんに由来してナガノゴリ。
オニボラ(上)とボラの仲間(下)
尻ビㇾや尾ビレが黄色くなるのがオニボラの特徴
テングヨウジ
トゲウオ目に分類されるヨウジウオの仲間。トゲウオ目は見た目が変な魚が多くて面白いので個人的には結構好き(タツノオトシゴとかもトゲウオ目ヨウジウオ科です)。一見すると木の枝のように見えるがれっきとしたお魚なのです。関東の方でも探せばいるらしい。
イッセンヨウジ
他のヨウジウオの仲間の中では吻(ふん)が短いのが特徴。魚道の脇や落ち込みの水底などに生息していました。かなり細長いので網目が荒い網(5~6mm)だとすり抜けてしまいます。3mmなら安心。
ナンヨウボウズハゼとアヤヨシノボリとボウズハゼ
ウェットスーツを着てシュノーケルを付けて川を潜っていた時に撮影した写真です。シュノーケルは海で使うイメージが強いですが実は川でも楽しめます。うまく呼吸できない子はタコ眼鏡が安心。
クロホシマンジュウダイ
夜の河川でガサガサをしていたら横になって寝ていた魚。太平洋とインド洋の熱帯域に生息しており、日本では琉球列島に多い。稚魚は黒潮の影響を受けて秋田や千葉まで運ばれた記録がある。
雑食性でなんでも食べてしまうことから、スキャットファーガス(糞食者)という不名誉な名前で呼ばれている。スキャットの名で観賞魚愛好家に知られているらしい。
ミナミクロダイ
河口に行くとたくさん泳いでいる魚。本州のクロダイの近似種とされているが同種の可能性もある。
コトヒキ
スズキ目シマイサキ科に分類される魚。北海道以南の日本列島に分布するため本州でも見ることができる。浮袋を振動させてグウグウと鳴くのだが、これが琴の音に似ていることが和名の由来らしい。とても似ている音とは思えなかったけどね。
スズメダイ科の仲間
スズキ目ベラ亜目の下位分類群の一つであるスズメダイ科の魚。ちょっと手持ちの図鑑では同定難しかった。
コンジンテナガエビ
日本のテナガエビの中で最も大きい種。食べても最高に美味しい。
ヒラテテナガエビ
千葉県にもいる同じみのテナガエビ
ネッタイテナガエビ
初めて見れたネッタイテナガエビ!図鑑では奄美大島に分布していないことになってたので地味に初記録かもしれない。
ザラテテナガエビ
軟毛が密生している特徴的な腕(左腕)が残っていたため見分けられた。
ミナミテナガエビ
ヒラテテナガエビと同様わりとどこにでもいる種。頭胸甲に3本の斜め線があるのが特徴。
オニヌマエビ
モクズガニ
無限にいる。あと平均サイズがデカすぎる。これは潜らないと分からないが、堰の下のブロックの隙間を住処にしており、カニマンションのようになっている。
アマミシリケンイモリ
もっと止水系にいるのかと思ってたけどこんな流れのある所にもいるのね。尾が剣のようにとがっているからシリケンイモリ