自然遊びのリスク

磯でフジツボに手をつき7針縫う大ケガをしました。予防や応急処置・手術費用などまとめ

注意!この記事では、実際に怪我をして出血している画像等が含まれます。モザイク処理などはしていないため苦手な方は閲覧をご遠慮ください。

自然遊びには常に危険とリスクが存在しており、準備不足や危機感の欠如により大ケガをしてしまうことがあります。自分への戒めと今後磯遊びされる方への注意喚起としてこの記事を残します。

結論、手袋しろ!病院行け!1万円かかるぞ!

結論から申し上げると、農作業用のゴム手袋などを使用していれば無傷or軽傷で済みました。手袋は前日に洗ったばかりで家に忘れており、現地についてから気付き「まぁ気を付ければ手袋なくても平気でしょ」という慢心が招いたケガでした。

実際にお世話になった奄美大島にある鹿児島県立大島病院

また、病院の先生を仰ってましたが野外の水は細菌だらけなので、小さな傷からでも感染症にかかる恐れがあります。傷が深くて中までしっかり消毒できていない場合や熱っぽいなど少しでも異変を感じたら必ず病院へ行きましょう。

病院代はトータルで¥13,000ほどかかりました。特定初診料の¥7,000が一番大きい。

ケガをしてから病院で縫合手術するまでの流れ

①奄美大島の夜の磯で転び、フジツボで手を激しく裂傷

フジツボ実際のフジツボではありませんがこんな感じでした

2023年12月12日23時半ごろ、当日は夜の磯で寝ている生き物(魚やカニ)を探していたのですが、不意に体勢が崩れて倒れる体を左手で支えようと手をついた先がとがったフジツボでした。

包丁で指を切ったような切り傷とかいうレベルではなく裂傷。ザックリと開いた傷口からポタポタと絶え間なく出血する様子を見てヤバイと思い、生き物探しは即中断。

はいていた胴長の左ひざは真っ赤に染まり、透明感のあるタイドプールも赤く染まり始めていました。

止血後の写真なので、切った直後はもっと激しく出血していました。

車からは徒歩10分の磯におり、タオルなどの止血できるようなものがなかったので、ケガをした左手を心臓よりも高い位置に上げてすこしでも出血を抑えようとしました。

後輩が持っていた紐で腕を縛ってくれましたが(いわゆる緊縛止血法というやつ)、後で調べたらこの止血法は、正しく行わないと血管をつぶしたり、神経を切断したり、末梢神経を壊死させたりする危険があるので安易に行ってはいけません。とのことだったのであまり推奨できません。

②とりあえず止血して、その日は自宅で就寝

コンビニで買ったティッシュ、アイスコーヒーの氷で止血

裂傷した直後の痛みはあまりなく、患部を指で押すと痛い程度でした。止血に集中したい&急いでキレイな水で洗いたい思いがあったので、後輩に車を運転してもらい車で8分のところのコンビニへ。

店員さんに了承を頂きトイレの水道で傷を洗い砂や汚れを出来るだけ洗い流しました。ただ、傷が深かったので中までキレイに洗浄はできず。

このタイミングで龍郷方面にある救急外来に駆け込む選択肢もあったのですが、深夜ということもあり車を運転してくれている後輩に迷惑をかけたくない&とりあえず止血はできた ので、宿泊させてもらっている後輩の家に帰宅することに。

ティッシュで圧迫止血を続け血が止まったのを確認し、傷パワーパッドで湿度を維持したまま応急処置は完了。不思議と見た目ほどズキズキとした痛みはあまりないがジンジンと痛む感じはある。

※傷パワーパッドの注意書きにもありますが、傷が深く感染症が疑われる場合は密閉すると細菌が増えやすくなり逆効果なので使わないほうがいいらしい。(この時はちゃんと読んでなかった)

借りてる布団を汚したくなかったので2重でカバー

③翌日病院へ行き縫合手術することに(ここから痛いよ)

診察室で傷パワーパッドを剥がした時の写真

先生からは「結構深いね~、これは縫わないとダメだよ」と言われました。

水道水でしっかり目に洗った直後の写真。ザックリ切れてますね。

傷の奥までしっかり洗えていないことを伝えたら、感染症を防ぐために洗いますと言われ、水道水の流水で結構しっかり目に洗われました。先生が指で傷を開きながら洗うので、むき出しになった筋肉に冷水が染みてかなり痛い。。思わず「う゛っ…」と声が出てしまうほどに。

局所麻酔で傷口に注射針7,8本刺されたのが最高に痛かった。

先生「やっぱり中までキレイに洗浄できないので、局所麻酔をした後に歯ブラシでゴシゴシ洗いますね」

自分「はい。。(え?まじ?)」

という訳で、傷口からむき出しの筋肉に注射針が容赦なくブスリブスリと刺さり、それがめちゃくちゃ痛かったです。

麻酔も効いてきて、患部の感覚が鈍くなったので縫合手術開始。部分的に(あれ?麻酔効いて無くね?)みたいな箇所はいくつかありましたが根性で耐えて無事終了。

戦場で怪我しても多分アドレナリンどっぱどぱ出てると思うので、麻酔なしでの縫合手術は気合入れればギリ耐えれそうだなぁと感じました。

7針縫った直後の写真

④破傷風ワクチンと抗生物質、痛み止めをもらい帰宅

手術後、麻酔が切れてからが一番痛いです。ズキズキジンジンします。

念のため、破傷風ワクチンを打って治療は終了。感染症対策のため抗生物質を2種類と痛み止めをもらい帰りました。先生曰く痛み止めに関しては市販品でも代用できるそうです。

ちなみに子供の頃に破傷風ワクチンを打っていれば不要(僕は打ったかどうか忘れていたので一応打ってもらった)。

⑤紹介状を書いてもらい1週間後に千葉で抜糸することに

手術してから2日後。もうほとんど痛みはないが重たいものを持つのは不可能。

抜糸のタイミングである1週間後はすでに千葉に帰宅しているので、近くの病院へ紹介状を書いてもらいそこで抜糸する予定です。

手術してから2日も経つと、日常生活を送るのは問題ないレベルに回復しました。若い人ほど皮膚のハリや回復力もあるらしく治りが早いとのこと。

磯で怪我をしないための予防策

磯の岩礁に固着している貝類(フジツボや牡蠣殻など)は刃がボロボロになったナイフ、人間のむき出しの皮膚は豆腐だと思ってください。油断すると大ケガにつながるため作業用の手袋や軍手は必須です。

あれば100%安全という訳ではありませんが、今回のような大ケガにはならなかったと断言できます。手だけではなくマリンシューズや長袖長ズボンのラッシュガードも怪我を未然に防ぐためには効果的な対策になります。

万が一怪我をしてしまった際の応急処置

とにかく圧迫止血!できれば清潔なタオルが好ましいです。傷口を※水道水の流水などで洗える場合はすぐに洗浄するべし。そして病院へ。

「このくらいの傷で病院?」と思っても、あとから感染症にかかるとより面倒なことになるので極力病院へ行くことをおすすめします。先生からもそう言われました。

※水道水は必ず流水で流してください。おけにためた水などで洗浄すると汚れた水で洗うことになり逆効果とのことでした。

実際にかかった手術費用など

  • 特定初診料¥7,000
  • 初診料、投薬、処方箋料、注射料¥2,800
  • 薬代¥810
  • 再診料¥970
  • 抜糸でおそらく¥1500くらいかな?

抜糸がまだなのでざっくりですが¥13,000ほどかかりました。

まとめ

ただでさえ医療基盤が貧弱な離島で迷惑をかけてしまい申し訳ない気持ちでいっぱいです。

今回のケガは自分の慢心が招いたことなのでフィールドワーク経験者としてお恥ずかしい限りですが、これから磯で生き物を探したい方に反面教師にしていただけたら本望です。

おわり