「子どもと磯遊びをしたいけど、何を準備して何に気を付ければいいのか分からない!」とお悩みのママさんパパさんへ
普段アウトドアに慣れていないと何を調べればいいのかもよく分からないですよね。
ですが、この記事を読めば安全に楽しく磯遊びをすることができます!最後までしっかり読んで対策をして、怪我や事故なく安全に磯遊びを楽しんでいただければと思います。
磯遊びをする際の注意点
天気予報のチェック
磯遊びを予定している日程の天気予報を必ずチェックしましょう。雨が降ると落ち着いて観察ができませんし、風が吹くと波が立って非常に危険です。具体的には風速5mを超えると危険信号です。
津波のような波が来るわけではありませんが、濡れた体は冷えますし、波が大きく揺れると体がフラついて危険です。海面は波打ってまともな観察もできず、高台に置いていた備品ははるか彼方へ飛ばされる…なんてことに。
急な天候の変化も念頭に入れつつ安全第一を心がけましょう。
日程を決める前にタイドグラフで潮位を確認する
「潮位を制する者は磯遊びを制する」と言っても過言ではないくらい大事な要素が「潮位(ちょうい)」です。潮位というのは潮の満ち引きによって変化する海面の高さのことです。これは月が地球に及ぼす引力と地球が回転することによって起こる変化であり、タイドグラフ(海天気.JP)というもので事前に確認することができます。
例えば、ネットで「葉山 タイドグラフ」と検索して2024年7月7日の神奈川県葉山市付近で潮位を調べてみると以下のようなグラフが出てきます。昼の11時35分に干潮を迎え、その際の潮位は-4cmです。
目安ですが潮位30cm以下なら磯遊び可能なので-4cmは磯遊びには最高の潮位という訳です。干潮時の潮位が60cmの時に磯遊びに行ってもほぼすべてが海面の下にあるため全く楽しめず、残念な雰囲気で帰路に着くことになるので十分お気を付けください。
干潮時と満潮時の差が最も大きくなる「大潮」と呼ばれる日は、普段よりも大きく潮が引くので磯遊びには最適です。タイドグラフにはそういった潮名や干潮時の時間などが詳しく記載されているため必ずチェックしましょう。
必ず2人以上で行動する
自分が初心者であろうとなかろうと必ず複数人で行動してください。もし磯で転んで頭を打ち、誰にも気づかれずその場で気を失ってしまった場合、潮が満ちてきて死亡する恐れがあります。また、猛毒を持つヒョウモンダコに噛まれて重症の場合は15分程度で呼吸麻痺が進行し90分以内に死にます。(海外ではヒョウモンダコ属による死亡事例あり)
小さいお子さんを連れていく場合や、複数のお子さんを連れていく場合は出来るだけ大人の数を増やすことで事故が起こっても対応しやすくなるのでおすすめです。
周りに頼れる方がいない場合は、ぜひレンタルのご依頼をお待ちしております。
遊びだと思って服装や装備を軽んじない
「磯遊び」という語感からつい油断してしまいがちですが、虫取りと比較すると段違いで危険が多いです。
- 長袖長ズボンのラッシュガードを着用しなかった場合→クラゲにさされ呼吸困難で死亡
- マリンシューズではなく、ビーチサンダルを履いた場合→滑って転んでカメノテで裂傷
- ライフジャケット未着用の場合→シュノーケル中に足がつって溺死
- 手袋をしなかった場合→フジツボで肉を裂いて7針縫います(僕の事例です)
死亡事例は稀ではありますが、気を抜いていると起こりうるということをご理解ください。また、肌の露出を抑えるだけで多くの危険から身を守るor軽傷で済ませることが可能です。決して服装や装備に手を抜かないでください。
磯遊びで怪我をしにくい服装・装備
100点の服装がこちらになります
ポイントは、極力素肌を出さないという点です。一つずつ説明していきます。
長袖長ズボンの水着orラッシュガード
長袖長ズボンの水着やラッシュガードを着用することで、クラゲの触手や紫外線から肌を守ることができます。万が一転んだ時も、素肌の時よりダメージを抑えることができるので必ず着用しましょう。
マリンシューズ
室内のトレーニングシューズとしても使えるマリンシューズ・ウォーターシューズやダイビング専用のダイビングブーツなどが足元の滑りや怪我を防ぐため磯遊びにはおすすめです。
こちらの商品の用に底がしっかりしていてくるぶしまで覆っているタイプの商品を用意できれば120点です!ですが、子ども用の商品にはくるぶしまで覆っているものが少ないので普通のマリンシューズの上から少し大きめの靴下(捨てる用)を履くのも素肌を隠す対策になります。
マリングローブ・手袋
岩やフジツボに手をついても怪我しないよう、マリングローブや作業用ゴム手袋などを必ず着用して手を保護しましょう。
シュノーケリングベスト・ライフジャケット
潮が引いた陸地からタイドプールを覗いたりする程度でしたら不要ですが、「海の中に入って水中を観察したい」という場合は、シュノーケリングベストは必須になります。
自分は泳げるから平気と思っていても、ふいに足がつったりすると大人でも簡単に溺れてしまうため着用を心がけましょう。
リーフツアラーなどの有名メーカーから子ども用シュノーケリングベストが出されているのでおすすめしておきます。
帽子
磯遊びのシーズン(4~9月)は気温が高い日が多いため、日射病や熱中症に気を付けましょう。
磯遊びに必要な道具・持ち物
魚捕り網
初心者向け①→100円ショップにある小さい網
潮だまり・タイドプールと呼ばれる小さな閉鎖空間で磯の生き物を捕まえる際は、100円ショップで売られている熱帯魚用の小さい網がおすすめです。
初心者向け②→ホームセンターにある大きな網
海藻の中に隠れているエビやカニ、石の裏に隠れている魚を捕まえる際はホームセンターに売られているような大きな魚捕り網を使いましょう。個人的には持ち手とヘッドの部分を分離できる「あみのエーワン」製の商品が持ち運びにも便利でおすすめです。
これはちょっとした裏技なのですが、同じあみのエーワン社が販売している「昆虫ハンター」という虫取り網の柄を使うとさらに仕舞寸法を短くでき、スーツケースやリュックに仕舞うことも可能になります。
子どもが多いとその分荷物も増えるので、極力携帯性に優れた道具をご紹介します。
上級者向け→雫網(しずくあみ)やエビ網
ここからは少し上級者向け、大人向けの道具の紹介になります。子どもの願いを叶えるため、海の中層を泳ぐカラフルな魚や動きの素早い魚を捕まえたい方だけご参照ください。
磯には動きの素早い魚が多く生息していて、それらの魚は初心者向け①②の網では捕獲が非常に難しいです。理由は網の形状や素材がそういった魚を捕獲するのに最適ではないからです。
雫網やエビ網は釣り糸に使われる透明なテグス糸を網に使用しており、魚の近くに網を寄せてもバレにくいため非常に捕獲しやすいです。色んな魚を捕まえられる反面、網の値段は高く雫網2本で約¥20,000します。(初心者向け②の網は¥2,200)
有料の道具レンタルにて網の貸し出しも行っているため、試しに使ってみたいという方はご依頼時にお申し付けください。
魚捕り網×1 | ¥500 |
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エビ網×1 | ¥700 |
雫網×2 | ¥4,000 |
※この雫網は埼玉県にある三谷釣漁具店でしか販売されていないため、こちら(三谷釣漁具店)からご購入ください。
水汲みバケツ
こちらはDAISOという100円ショップで売られている釣り用折り畳み水汲みバケツ(¥550)です。メッシュの蓋がついているため、タイドプールに放り込んでおけば水替えする手間が省けるので大変便利です。
家に持ち帰るなら密閉できるタイプのバケツ
もし磯の生き物を生きたまま持ち帰りたいという場合は、密閉できるバケツやポリタンクなどを持っていくのがおすすめです。
※採集OKかどうか必ず役所に確認しましょう
お魚観察ケースと白いバット
上から見たほうが観察しやすい生き物が磯には多いので、100円ショップに売られている調理用の白いバットを持っていくと楽しいです。
見つけた生き物を白いバットに入れることで、自分だけのオリジナル水族館を作れます。自分好みの配色にしてみたり、分類ごとに分けてみたりすると新しい発見があるかもしれません。
お魚観察ケースは中層を泳ぐ魚を観察するのに適しています。水中ではヒレがしっかりと立つので、写真に残しておけば後で絵を描く際の参考になります。
まだあるか分かりませんが、セリアで小さめのお魚観察ケースが売られていたので、お近くにお店があれば探してみてください。
タコめがね
5歳未満の小さいお子さんにおすすめなのが、タコめがねという道具です。海に顔を付けるのが苦手だったり、まだシュノーケルマスクをつけられない子でも海の世界を楽しむことができます。
シュノーケリング2点セット
シュノーケルセットを使えるようになると、呼吸をしながら長時間海の世界を遊泳できるので磯遊びが100倍楽しくなります!本格的なシュノーケルをするわけではないのでフィンは不要です。
大人のひざ下くらいの水深の場所で四つん這いになり、水中を覗きながらゆっくり石をどかしてみてください。石の裏に隠れている生き物たちの様子をじっくり観察することができます。
一時保管用のボトル(広範囲動く人向け)
磯で採取した生き物を一時的に保管するボトルです。折り畳みの水汲みバケツを持って広範囲を歩くのはかなり大変なので、こういったボトルを腰にぶら下げて色んな場所を周ります。
穴をあけた小さいボトルを複数用意しているのは、カニやテッポウエビと魚を一緒にすると捕食されてしまうからです。また、中には有害な粘液をだす魚もいるため、ボトルは複数用意するのが良いです。
防水カメラ
磯遊びしてる子どもたちを撮影したいけど水辺にカメラを持っていくのは不安…という方には、完全防水カメラであるOlympusのTGシリーズをおすすめします。落下テストもクリアしており耐久性に優れているので、雑な扱いをしてもへっちゃらなのが最高。
TGシリーズには顕微鏡モードという機能があり、磯の小さな生き物を鮮明に撮影できるのも超おすすめポイントです。
磯遊びで注意したい危険生物
ここでは、磯遊びで注意すべき危険生物についてご紹介します。危険生物による被害や事故を防ぐためには事前に予習することが大事になります。
※参考文献:危険生物 ファーストハンドエイドブック 海編
フジツボ・カメノテ
フジツボもカメノテも潮が引いた磯では嫌というほどよく見る危険生物です。縁が鋭くとがっているため、グローブを着用せずに誤って転んでうっかり手をついたりすると大変なことになります。まずその日は磯遊び中止となり病院へ直行コースになるでしょう。
水辺で遊んでいると皮膚が水分を含んで柔らかくなり、普段よりも防御力が落ちるので極力素肌を守ることを心がけるのが最大の予防になります。
ガンガゼ・ウニ
ガンガゼ
浅い岩礁でよくみられる普通種です。トゲが長く鋭いため、厚手のウェットスーツを着ていても容易に貫通します。厄介なことにこのトゲは非常にもろくて折れやすいので刺さると折れたトゲが体内に残って強い痛みを生じさせます。
万が一刺されたらピンセットや針で慎重にトゲを取り除き、患部をお湯で温めます。温める理由はガンガゼのタンパク質毒を熱変性させて毒を失活させるためです。
足首まで保護されているマリンシューズを履いたり、歩くときに海底に気を付ける、石をひっくり返すときに裏側にガンガゼがついていないか確認するなどを行い予防しましょう。
磯でガンガゼに刺されたので、現地で行った対処法などをまとめました⚠️
結果、2〜3時間続く毒の痛みは30分に軽減され、体内に残ったトゲによる数日続く痛みは即日解消されました。
これからの季節は磯遊びやシュノーケリングを楽しむご家族も多くなるかと思いますので参考までに。 pic.twitter.com/7r4pHJfdwj
— レンタル生き物の人@Ri (@rental_ikimono) June 10, 2024
つい最近ガンガゼに刺されたので参考までに。この時は石をひっくり返そうとして裏にガンガゼが付いてるのに気づかずグサっといってしまいました。
ラッパウニ
房総半島以南に生息しているため、千葉や神奈川の磯でも遭遇する恐れがあります。症状に個人差が大きく、刺されてもなんともない人もいれば心肺停止といった重症に陥るケースもあるとか。
たとえ刺された直後は平気だったとしても、病院へ行くのが最善の選択になります。
イモガイの仲間
イモガイは南の浅い海に生息している肉食性の貝です。歯舌歯(しぜつし)という毒銛(どくもり)を発射して獲物を麻痺させる習性が知られており、毒銛にはコノトキシンという猛毒が含まれています。
刺されたら10~20分で激痛とともにしびれやめまいが起こり、呼吸困難、歩行困難になります。もしこの時まだ水中にいたら溺死コースです。早急に陸地へ上がり、救急車もしくは病院へ行く準備をしましょう。
危険性が高いことで有名な「アンボイナガイ」や「タガヤサンミナシ」は分布は紀伊半島以南となるため、関東地方では遭遇することはあまりないと思いますが近年温暖化の影響で南の生物たちが北上しているため注意が必要です。
イモガイ科に似た貝は採取しない、事前に予習して見分け方をよく覚えておくといった予防になります。
ヒョウモンダコ
ヒョウモンダコは、房総半島以南の浅い海の岩礁帯やサンゴ礁に生息している小型の殺人ダコです。見るからに毒々しい見た目をしていますが、体の模様を変化させて岩礁に擬態もできるので要注意。
噛まれると数分後にはしびれや言語障害などの症状が出て、15分後には呼吸困難が進行し、90分後には死亡した例もあるそうです。
万が一噛まれても、毒を口で吸い出してはいけません。ヒョウモンダコが持つテトロドトキシンという毒はフグと同じ成分の毒なので胃で消化されず大変危険です。
むやみに触らず、もし噛まれたら速やかに救急車を呼んで病院へ行きましょう。
カツオノエボシ・クラゲ
カツオノエボシやクラゲといった刺胞動物は触手に毒があるため、素肌で触れること自体が危険です。ラッシュガードを着用することで被害を防ぐことができるので極力長袖長ズボンのラッシュガードの着用を心がけましょう。
カツオノエボシは「電気クラゲ」とも呼ばれており、刺胞に刺されると電撃を受けたような鋭い痛みが走ります。死亡事例もあるようなので青いギョウザのような生き物を見かけたら素手で触らないように十分注意しましょう。
カツオノエボシの毒は成分が詳しく解明されていないため、もし刺されてしまったら応急処置にとどまらず病院で診察を受けたほうがいいとのことです。
ハオコゼ
浅いアマモ藻場や岩礁域、潮だまりなどで見られる普通種です。ヒレに毒があり、刺されるとズキズキとした疼痛を味わうことになります。
ただ、タンパク質系の毒なのでお湯で温めれば痛みの緩和が期待できます。人を殺すような毒ではないですが、体内にトゲが残っていれば破傷風になる恐れもあるため、念のため病院へ行かれることをおすすめします。(抗生物質出されて終わりだとは思うけど)
ゴンズイ
磯遊びをしていると、幼魚が群れになって泳いでる姿をよく観察します。ちなみにゴンズイが集団で泳いでいる姿をゴンズイ玉と呼びます。
ナマズ目に分類される海のナマズみたいな存在ですが、背ビレと胸ビレに毒があります。刺されるとズキズキした疼痛が広がり、患部が壊死することもあるとか。ただ、ゴンズイもタンパク質毒なので、患部をお湯で温めれば痛みが緩和されます。
子どもでも簡単に捕まえられるため網ですくった際に刺されるケースが多いみたいなので要注意しましょう。
磯の危険生物に役立つ道具
危険生物ファーストハンドエイドブック海編
この記事を作成するにあたって参考にさせていただいた書籍です。海へ出かける前の注意事項から危険生物が潜むポイントや検索表、被害にあったときの対処法などが詳しくまとめられています。
危険生物の解説も30種以上あるため、磯遊びだけでなく海水浴や釣りへ行く際も役に立つ良書です。ハンドブックなのに必要な情報がキレイにまとめられててかなりおすすめ。
ポイズンリムーバー
磯遊びへ行く際は必須のアイテム。ハチやヘビの被害に遭った際も使えるので、野外へ出かけるときは必ず携帯しておきたいですね。
毛抜き・ピンセット
クラゲの触手を剥がしたり、ガンガゼのトゲを抜いたりするのに使えます。
お湯
お湯があると無いとでは天と地ほどの差があるので、荷物に余裕があり少しでも痛みを味わいたくない方は必ず持参しましょう。
ハオコゼやガンガゼ、ゴンズイ、アイゴ、などのタンパク質毒って我慢しようと思えば我慢できるレベルの痛さなんですけど、やっぱり長時間ズキズキ味わうのは結構ストレス感じますよ。
磯遊びでのルールやマナー
磯遊びで一般的に気をつけるべきことや、守らなければいけないマナーをご紹介します。
①生き物観察・採集が可能な場所なのか事前に確認する
場所によっては豊かな自然が残っており天然記念物に指定されていることもあるので、そもそも採集をしていいのか?観察して逃がすのはOKなのか?といったことを事前に確認しましょう。
ネット、現地の看板、役所に電話などの手段で確認する
例えば、磯遊びのスポットとして有名な神奈川県葉山市にある芝崎海岸は葉山町の天然記念物に指定されており、採集が制限されています。
注意事項
芝崎海岸保護のために次のことを守ってください
- 動物・植物・岩石など採集はしないでください。
- 石(転石)は動かした場合は必ず元に戻してください。
- 生物観察後は必ず生物がいた場所に戻してください。
- モリ、アミ、イソガネなどの採集道具を持って入らないでください(漁業関係者は除きます)。
- ビーチパラソル、サマーベッド等を持ち込まないでください。
- バーベキューやたき火、キャンプをしないでください。
- カヌー、カヤック、ウィンドサーフィン、ジェットスキーなどマリンレジャーはご遠慮ください。
- その他、天然記念物の保護の妨げになる行為をしないでください。
葉山町教育委員会・葉山警察署
https://www.town.hayama.lg.jp/soshiki/shougaigakushuu/2/2/7806.html
この注意事項を確認する限り、採集(捕まえて持ち帰ること)は禁止されていることが確認できます。気になったのは「アミ(魚捕り網のこと)」の使用制限についてです。子どもと生き物観察をするためには魚捕り網を使う必要があるので、この海岸を管理しているところへ確認いたしました。(以下回答)
Q,観察目的でアミを使用し、魚やカニ等を捕まえて観察ケースに入れる。多少の観察のち元に戻すのは許されていますか?
A,その程度であればOK。上記の観察目的であればアミの使用も構わない。
お問合せ先:しおさい公園・博物館
〒240-0111 神奈川県三浦郡葉山町一色2123番地の1
開庁時間:8時30分~17時00分
閉館日:月曜日、祝日の翌日、年末年始(12月28日~1月3日)
電話番号:046-876-1155
厳密には、子どもの生き物観察の範囲であればアミを使用してもOKということでした。このように、現地の看板では禁止とあっても実際に問い合わせてみるOKみたいなことはよくあるので必ず確認しましょう。
②使用NGな道具や採取NGな生き物について事前に調べる
日本の海面(海全域のこと)で生き物を捕まえる際には、法律に基づいたルールや規則を守らなければいけません。知らなかったでは済まされず、実際に密漁で逮捕された一般人の事例もあります。
使用してはいけない道具や、採取すると逮捕されてしまう生き物について事前に確認した上でルールを守って磯遊びを楽しみましょう。
大きく分けて2つ「漁業調整規則(各都道府県ごとに異なる)」と「漁業権(エリアごとに異なる)」を確認する必要があります。
都道府県によっては、難しくて読みにくい漁業調整規則や漁業権を分かりやすく解説して磯遊びのルールとしてページを作成してくれているところもあります。実際に神奈川県は作成してくれているので、こちらをご参照ください。
漁業調整規則について調べる
漁業法及び水産資源保護法に基づき都道府県ごとに定められており、当該都道府県の管轄する海面等で水産動植物を採捕する漁業者や遊漁者などに適用される規則です。 漁具・漁法、採捕禁止区域、魚種ごとの採捕禁止期間、体長制限等の様々な規制が定められていますが、都道府県によって内容が異なりますので、注意しましょう。
分かりやすく言うと、海で生き物捕まえるときに使っていい道具や漁法、捕まえちゃいけない区域、捕まえちゃいけない大きさなどが都道府県ごとに決められているという訳です。
ネットで「〇〇県 漁業調整規則」と検索するとpdfで出てきますが、難しい専門用語と文章のみで構成されていて、初めて目にする人には非常に読みにくい代物となっております。
(参考:神奈川県の漁業調整規則)
※日本の水辺は大きく2つ(海面=海、内水面=川、池、沼等の淡水域)に分けられており、漁業調整規則も2つに分けられている都道府県も存在するので注意が必要。
漁業権について調べる
神奈川県の沿岸には、ほとんどの海域で共同漁業権が設定されており、漁業者は生活の糧として、魚介類を大切に守り育てています。共同漁業権が設定されている漁場内では、アワビ・サザエ等の貝類、ワカメ・コンブ等の海藻類、イセエビやタコ等共同漁業権の対象となっている水産動植物を組合員以外の者が採ると漁業権侵害となる恐れがありますので、そのような漁場では採らないようにしましょう。
漁業権区域ごとの漁業の名称一覧表(PDF:130KB)をご覧ください。
漁業権は各エリア(区域)ごとに内容が異なるので、自分が遊びに行こうと思っているエリアの情報を調べてから行きましょう。
大体どこのエリアでも採取が禁止されているのが以下の項目です。
- ワカメ、ヒジキ、テングサ
- アワビ、サザエ、トコブシ
- ナマコ
- ウニ
- タコ
- イセエビ
神奈川県の場合、密漁すると3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金が科される場合があるのでご注意ください。
③自然や生き物を大切に扱う
なぜ自然や生き物を大切に扱わなければならないのか?その答えは、結局のところ人類に多くのメリットをもたらすからです。
自分たちの生活は地球上の生物と非常に密接に関わっています。自然や生き物を大切にすることで私たちの暮らしが豊かになり安全に過ごすことができるのです。
子どもが小さいころから自然や生命の大切さを教えることで、他人を思いやれる優しい心を育むことにも繋がります。
ひっくり返した石は元に戻す
ひっくし返した石をそのままにしておくと、石の裏に付着している藻や小さな動物たち、生き物の卵などが干からびて死んでしまう恐れがあります。
転石行為をした後は、必ず石を元の場所に戻しましょう。
必要以上に採取しない
色んな生き物を見つけると、ついつい全て捕まえてバケツに入れたくなりますが、あまり過密になりすぎると生き物たちは酸欠で死にます。
また、数の少ない生き物を捕りすぎるとその場所からいなくなってしまう恐れもあるため、必要以上に採取したり持ち帰ったりするのはやめましょう。
④ゴミは必ず持ち帰る
磯遊びをして出たゴミは必ず持ち帰りましょう!
ゴミで生き物たちの生息環境を汚すと、環境や生き物たちへの悪影響はもちろんのこと、地域住民からの反感を買い、結果的に立ち入り禁止になる恐れがあります。
自然と地域住民と自分、みんなが幸せになれるように自分で出したゴミは必ず自分で持ち帰りましょう。
磯遊びの参考になる書籍
こちらは、小学館から出されている海辺の生物だけをまとめたハンディサイズの図鑑です。現地に持っていって、捕まえたその場で図鑑と照らし合わせながら確認ができるので一番おすすめ。
この本は、磯で生き物を捕まえて子どもから「持って帰りたい!」と言われた時に役立ちます。この本を読めば、磯の生き物の捕まえた方や持ち帰り方、飼い方や観察のポイントなどが分かります。
こちらは、先ほどと同じく小学館から出されているNEOシリーズの大型図鑑。磯の生き物だけでなく水辺に生息している生き物全般を扱っているのが特徴。ハンディ図鑑よりも多くの種が掲載されていますがいかんせん重いので、現地で観察して写真を撮って家に帰ってから調べるのに適しています。
まとめ
以上、子どもと磯遊びをする時の注意点!服装や道具・危険生物・マナーをまとめさせていただきました。
磯遊びなどの自然体験や自然遊びを通して、子どもの五感が刺激されて感受性が豊かになり、好奇心が育まれます。「どうやったらうまく捕まえらえるかな?」といった試行錯誤や発見、成功体験を繰り返すことで思考力や想像力も高まる効果もあるため、もしこの夏磯遊びに行こうと考えておられるママさんパパさんはぜひこちらの記事を参考にしていただければと思います。
この記事だけ読めば完璧という内容に仕上げたのでブックマーク推奨。
おわり